2009年11月03日
Soft / Kadans a péyi la (2005)
先週Erikのところで、フレンチ・カリビアンの音楽の伝統が云々とかリスペクトが云々とか書いたんだけど、やっぱりそういう音作りの流れならばこのグループを忘れちゃいけない。Softという4人組。そしてここでは2005年のデビュー盤を紹介します。カリブの名盤ですよぉ〜。
グアドループやマルチニークではカダンス(Cadance)というハイチ音楽やソウルファンクから影響を受けた音楽の時代が終わり、1980年代前半、カッサヴ(Kassav)というグループから始まったZouk(ズーク)という音楽の時代がきます。このZouk、初めて聴いた時はデジタルなリズムの疾走感やフレンチ・クレオールの響きなど「格好ええ〜っ」とか思ったんですが、すぐにそのデジタル的な打ち込みサウンドに辟易し、この音楽から離れてしまいました。しかしその後ある時、Zouk独特の哀愁のあるメロディとゆる〜いデジタルビートを売りにするZoukが歌謡曲化したZouk Loveと呼ばれる音楽を聴く機会が到来。また「気持ちいいなぁ〜」なんて好印象でしたね。もちろん再度興味をもち、その日から何十枚とCDを聴いてみることになりましたが…。でも、このZouk Loveというジャンル、甘甘な恋歌であり、どこを切っても金太郎飴的なモノなんで、いつも聴いているとZoukと同じくまたまた飽きてしまったのです。なぜなんでしょうねぇ〜?Zouk、Zouk Loveにしてもオール打ち込み(まぁ〜これが今のアフリカ系の若い奴には好かれてるんだけどねぇ〜)、そして伝統音楽であるマズルカやビギンなどの匂いはすれど、作られた感じ(人工的という意)、あと言えるのが、ひとつのパターンが流行ると、いつもその後は同じパターン、つまりクドい!まぁ〜そんな理由だと思いますよ。
そうこう思っている頃に出会ったのがこのグアドループ出身のSoftです。このSoftというグループの音は既存のZoukサウンドとは違い、彼らの音楽の根っこが、ちゃんとカリブに古くからある音楽であるということを自然に感じさせます。そしてなによりも音がナチュラルで、聴いていてとっても優しい。
Kadans a péyi la(“僕らの島唄”みたいな意)というタイトル曲。(でもPVじゃないんす、コレ。)
Zouk Loveが『あなたが大好き。朝から晩まであなたのことでいっぱい!もう死にそう!』みたいな濃い〜い恋愛観なら、このSoftは『海、山があるように君も自然に僕の前に存在する!』っていう感じだろうか。まぁ〜どっちがいいかは個人的な好みだとは思うが、この濃い〜いZouk Loveがいやになりそうな時に、Softの歌を初めて聴いたんで、あっ!カリブにもこういう(ハワイみたいな)世界があるんだ!とちょっとうれしく思いましたね。
4人の編成はギター、パーカッション、ベース(コントラバスも)そしてサックス(他管楽器も)。当然、全体的にこのCDはアコースティック一色。加えてメロディ・メーカーとしてのセンスもあり、そのメロディがうまくカリブの伝統音楽Gwo kaやビギンのリズムにのり、気持ちがいいのなんの。聴いた後、メロディという香りが部屋に残ります。いや〜本当に!
クレオール語がわからないので、詳しく説明することができませんが、歌詞は結構シビアみたいですね。アフリカへの思い、独立、エイズやホームレスの問題などグアドループが抱えるいろいろな問題について歌っているようです。もし歌詞が理解できると彼らへの印象もまた変わるかもしれません。
PVは無いんですが、ライブがありますので、ライブをひとつ!曲はDédé(ゴメン。意味わからず)。
もちろん今でもZoukという音楽を聴くことはあります。でもこのSoftが出てこなかったら、どうなっていたことやら。音楽だけではなく現在のグアドループ&マルチニーク自体にも興味をなくしていたかもしれませんね。自分にとって貴重なグループです。このSoftは。
ちなみにSoftは2007年にセカンド・アルバム『Partout étranger』を発表しています。
セカンドもなかなかいいんですが、個人的にはこのデビュー盤のほうが7対3でいいと思います。でもこのセカンドからも1曲。Lanmou o piyaj(“略奪愛”みたいな意)。
このSoftのデビューから伝統リスペクト型フレンチ・カリビアン・ミュージックの流れが始まります。
SoftのHPです。
「Dominik cocoを忘れてるんじゃないか?こら〜っ!」というお兄さん。そういえばそうですよね、もうひとり伝統回帰を強く押し進めたミュージシャンがいます。それはDominik coco。また機会があったら今度はDominikの話でも。
関連記事:
Erik / Chayé kow (2008)
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グアドループやマルチニークではカダンス(Cadance)というハイチ音楽やソウルファンクから影響を受けた音楽の時代が終わり、1980年代前半、カッサヴ(Kassav)というグループから始まったZouk(ズーク)という音楽の時代がきます。このZouk、初めて聴いた時はデジタルなリズムの疾走感やフレンチ・クレオールの響きなど「格好ええ〜っ」とか思ったんですが、すぐにそのデジタル的な打ち込みサウンドに辟易し、この音楽から離れてしまいました。しかしその後ある時、Zouk独特の哀愁のあるメロディとゆる〜いデジタルビートを売りにするZoukが歌謡曲化したZouk Loveと呼ばれる音楽を聴く機会が到来。また「気持ちいいなぁ〜」なんて好印象でしたね。もちろん再度興味をもち、その日から何十枚とCDを聴いてみることになりましたが…。でも、このZouk Loveというジャンル、甘甘な恋歌であり、どこを切っても金太郎飴的なモノなんで、いつも聴いているとZoukと同じくまたまた飽きてしまったのです。なぜなんでしょうねぇ〜?Zouk、Zouk Loveにしてもオール打ち込み(まぁ〜これが今のアフリカ系の若い奴には好かれてるんだけどねぇ〜)、そして伝統音楽であるマズルカやビギンなどの匂いはすれど、作られた感じ(人工的という意)、あと言えるのが、ひとつのパターンが流行ると、いつもその後は同じパターン、つまりクドい!まぁ〜そんな理由だと思いますよ。
そうこう思っている頃に出会ったのがこのグアドループ出身のSoftです。このSoftというグループの音は既存のZoukサウンドとは違い、彼らの音楽の根っこが、ちゃんとカリブに古くからある音楽であるということを自然に感じさせます。そしてなによりも音がナチュラルで、聴いていてとっても優しい。
Kadans a péyi la(“僕らの島唄”みたいな意)というタイトル曲。(でもPVじゃないんす、コレ。)
Zouk Loveが『あなたが大好き。朝から晩まであなたのことでいっぱい!もう死にそう!』みたいな濃い〜い恋愛観なら、このSoftは『海、山があるように君も自然に僕の前に存在する!』っていう感じだろうか。まぁ〜どっちがいいかは個人的な好みだとは思うが、この濃い〜いZouk Loveがいやになりそうな時に、Softの歌を初めて聴いたんで、あっ!カリブにもこういう(ハワイみたいな)世界があるんだ!とちょっとうれしく思いましたね。
4人の編成はギター、パーカッション、ベース(コントラバスも)そしてサックス(他管楽器も)。当然、全体的にこのCDはアコースティック一色。加えてメロディ・メーカーとしてのセンスもあり、そのメロディがうまくカリブの伝統音楽Gwo kaやビギンのリズムにのり、気持ちがいいのなんの。聴いた後、メロディという香りが部屋に残ります。いや〜本当に!
クレオール語がわからないので、詳しく説明することができませんが、歌詞は結構シビアみたいですね。アフリカへの思い、独立、エイズやホームレスの問題などグアドループが抱えるいろいろな問題について歌っているようです。もし歌詞が理解できると彼らへの印象もまた変わるかもしれません。
PVは無いんですが、ライブがありますので、ライブをひとつ!曲はDédé(ゴメン。意味わからず)。
もちろん今でもZoukという音楽を聴くことはあります。でもこのSoftが出てこなかったら、どうなっていたことやら。音楽だけではなく現在のグアドループ&マルチニーク自体にも興味をなくしていたかもしれませんね。自分にとって貴重なグループです。このSoftは。
ちなみにSoftは2007年にセカンド・アルバム『Partout étranger』を発表しています。

セカンドもなかなかいいんですが、個人的にはこのデビュー盤のほうが7対3でいいと思います。でもこのセカンドからも1曲。Lanmou o piyaj(“略奪愛”みたいな意)。
このSoftのデビューから伝統リスペクト型フレンチ・カリビアン・ミュージックの流れが始まります。
SoftのHPです。
「Dominik cocoを忘れてるんじゃないか?こら〜っ!」というお兄さん。そういえばそうですよね、もうひとり伝統回帰を強く押し進めたミュージシャンがいます。それはDominik coco。また機会があったら今度はDominikの話でも。
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Posted by antineco at 14:36│Comments(0)
│カリブの音