40おやぢの生活日記。沖縄中部編。
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2009年11月23日

Sonia Dersion / Initiation (2001)

フランス領西インド諸島(グアドループやマルチニーク)にZouk Loveといわれるジャンルの音楽があります。このZouk Love、ゆる〜いシンコペーション繰り返しの甘々な愛の音楽、加えてどこを切っても金太郎飴のような感じ。まぁ〜すぐに飽きてしまいそうなんですがねぇ。でもこのZouk Loveは彼の地の黒人達には非常に好まれているようで、カリブ海のフレンチ・クレオール圏&フランス本国だけではなくアフリカ大陸(特にフランス語圏&ポルトガル語圏)でも大人気なんですよねぇ〜。(ゆる〜く踊れるし、濃い〜く&ねちっこい愛の形が好きな彼ら達にはたまらんのでしょうね。)

個人的にはちょっと飽きてしまい、あまりこのジャンルのCDを買ってないんですが、数人ぐらいコレっていうアーティストはやっぱりいます。そして今回紹介するSonia Dersion(ソニア・デルシオン)はその一人。いいんですよ〜!彼女の声、曲、そして特にこのアルバムの雰囲気が…。
Sonia Dersion / Initiation (2001)

このアルバムのタイトルは『Initiation』。和訳すると“最初”とか“はじめに”とか…。でもこのアルバムは彼女のデビュー盤ではなく、セカンド・アルバムなんです。

デビュー前からいろいろな音楽活動はやってたようですが、1997年に発売した『Tout va Bien』が彼女のデビュー。『Tout va Bien』は10万枚以上の売り上げを記録し、いろんな賞も獲得したようで、仏領西インド諸島やパリ18区(カリブ系やアフリカ系など移民の多い地区)ではかなり話題になったようです。その内容ですが、彼女の美しい声はやっぱりいいです。ただ何曲かいい曲もあるんですが、アルバム全体としたらウ〜んという感じ。悪くはないんですけど印象に残りません。

そして2001年、この『Initiation』を発売。このアルバム、デビュー・アルバムと違い良い曲が多いんです。またそれらの曲はSoniaの魅力である美しくCuteな優しい声を活かした曲になってるんすよねぇ〜。アルバム全体も気持ちの良くなる雰囲気が全体に漂っており、アルバムを聴いた後の充実感はたまらんです。「あぁ〜いいアルバムだねっ!」っていつも感じてしまいます。

ちょっと重い内容の曲ですが『Kimbé(あなたがやるべき事…みたいな意)』という曲のPVがあるんで聴いてみてください。
いかがでしょうか?サウンドに関しては透き通った感じが気持ち良く、彼女のcuteで優しい声が活きている。レゲエのラヴァーズ・ロックとはまたちょっと違ったトロピカル・クールな雰囲気もいい感じです。(クレオール語なんで、歌詞の内容はよくわからないんですが、この歌は、辛い事、悲しい事、不幸な事は強い意思と神を信じる心さえあれば、それを打ち破ることができる。みたいな事を歌っているようです。PVの内容はなんか重〜いですよねぇ。)

デビュー・アルバムからここまで進歩した理由は二つあります。まずはプロデューサー。Zouk第一世代であるWilly Salzedo(2007年にMounkarayib名義のアルバムを発表!コレいいですよ。)を起用。Willy Salzedoと言えば、Zoukの女王的存在、Tanya Saint-Valの魅力を巧く引き出した有能なプロデューサー。このアルバムでもSoniaの良さを引き出していますね。特にサウンド面では、デビュー・アルバムのモロ打ち込みっていう音から、ちょっとアコースティックっぽい透き通る音に変身、これは正解だと思います。そしてもうひとつはこのアルバムから作詞作曲のほとんどをSonia自身が担当。彼女の書いた曲はこの次のアルバム『Les 4 saisons』やいろんなオムニバスでも認識させられるんですが、素晴らしい曲多いです。優しくてメロディアスな曲を書く才能があるようですね。

実はもうひとつこのアルバムは特筆する事があります。それはアフリカ出身のRnbシンガー、Kayshaの参加。Kayshaはカリブ海および西アフリカで大人気の実力派アーティスト。このアルバムではアフリカの匂いや雰囲気がちょっとだけ香ってくるんですが、それはたぶん彼のアイデアじゃないんかなぁ〜、想像なんだけどもね。でもこのアフリカ〜ンな隠し味、このアルバムの中の良いアクセントになっています。それとKayshaが参加している曲『Sacrifice』の、歌の部分と歌の部分の間(ま)というか、曲自体の空気感というか、なんか気持ちいいっす。

彼女は前述したとおり、この後2004年にサード・アルバム『Les 4 saisons』を発表しています。このアルバムは『Initiation』と比べるとまったりした作りになっており、初めて聴いた時は戸惑いました。でも相変わらず曲は良い曲が多く、彼女の声もいい感じです。

そして実は2009年の12月31日、4枚目となる新作を発売するようです。いやぁ〜楽しみです。最近はロンドン在住らしいんで、ヴァラエティ豊かなアルバムになるんでしょうか?

最後に最近(2008年)の映像から。とあるフランスの番組でDelphine IIというポエッターとの共演。


初めてグアドループに行った時、空港内のBGMでこのアルバム『Initiation』に収録されている曲が流れていました。その時は本当に「来ちゃったよグアドループに!」というのを実感しましたね。そして隣りにいた空港のランド・オペレーターに「コレSoniaの曲だよね?」って言ったら、彼は「良く知ってるね。Coolだよね」なんて嬉しそうに言ってました。2003年の話ですが、懐かしいです。

Sonia DersionのHP





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なんか彼女のサイトを見ると、New Albumがちょっと遅れてるようですね。2010年4月発売になってます。


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Posted by antineco at 13:37│Comments(0)カリブの音
 
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